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創作短編小説です。 基本的にダークです。 ですので、死とか血とかでます。 ホラーです。
May / 18 Sat 13:06 ×
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December / 29 Fri 21:16 ×
祖父の葬式に集まったのは数十人だけ。身内だけの葬式。

生きている頃、祖父は家庭を顧みず、毎日遊んでばかりいるような人間だった。

そして、毎回問題ばかり作っていた。その度我が家は毎回尻拭いをしてきた。

年をとり、祖父は病魔に身体を蝕られ、病院のベッドで寝たきりの状態だった。

いつ死ぬのかわからない状態だった。それでも祖父は三年も生きた。

そして、一昨日の夜死んだ。

父が親戚中に電話を掛けた。

親戚が集まってきて、祖父の葬式について話し合いになった。

その時の親戚の言葉を私は一生忘れないだろう。

皆、口を揃えて言うのだ。

「金がない」と。

結局葬式の費用は全てうちが負担した。総額
100万ほどだろう。

親戚の誰もが金を出さなかった。祖父の弟でさえ、見て見ぬふりしていた。

祖父は財産何一つなかった。


だから全部うちが金を作って用意した。

我が家の家計も祖父の死のせいで苦しくなった。

親戚どもはいかにも悲し気な表情をし、悲しいと口々に言う。

気持ち悪くて反吐が出そうだ。

私は親戚どものくだらない話を一時間も聞いてやった。

そして、火葬所で変わり果てた姿の祖父が出てきた。

骨だけになった祖父を見て父は涙を堪えていた。

祖父の遺骨を皆で拾い、壷に入れた。

私が祖父の遺骨を持つ事になった。白い布に包まれた箱を私が持つ。

そして、祖父の遺骨を誰が引き取るのかと言う話になった。

墓に入れるまで誰の家に置くのかと言う話だ。

親戚どもは知らん振り。

結局父が引き取った。もともと、父は絶対引き取るつもりでいた。

帰りの車の中、母と父が喧嘩した。

祖父の葬式の費用、祖父の遺骨、親戚どもの態度。

祖父の遺骨を何所に置くのだろうか。仏壇など我が家にない。

また我が家が買うのだろうか。

私は祖父の遺骨をこの場で叩き割ってやりたい衝動に駆られた。

何のためにこの人は産まれてきたのだろうか。

生きている時ですら問題ばかり作り、死んだ後もこうも問題を作っておくなんて…。



私が殺した意味がないじゃないか。
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