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創作短編小説です。 基本的にダークです。 ですので、死とか血とかでます。 ホラーです。
May / 04 Sat 00:43 ×
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December / 29 Fri 21:02 ×

怖い話?

うーん、じゃあこの話をしようか。

少しだけ怖い話。

今から五年前ぐらいの事なんだけど、俺は親友と一緒に遊んでたんだ。

で、やっぱ若いから遊んでたら普通に夜中になってね。

帰る時はもう三時を回っていたよ。

二人で色々話してて、テンションが高かったな。

その矢先だったよ。

一瞬だったんだ。ドスって重たい音とブレーキの音。

わかる?

凄い衝撃がきたんだよ。

何か物体が前方数メートルに飛んでいった。

俺は助手席に座ってて、親友が運転していたんだよ。

親友の顔がみるみるうちに青ざめてた。

すぐにわかったよ。

【人を轢いてしまった】って。

俺は反射的に車から降りて、倒れている人間の元に駆け寄った。

辺り一面血の海だった。

親友の愛車にも血がついてて、ライトなんか壊れて欠片が辺りに散らばってた。

親友の車の壊れたヘッドライトが倒れてる人を照らした時、俺は息を呑んだ。

足から骨が出てたし変な方向に曲がってた。

頭から血が溢れ、もう顔が血まみれだった。

即死だった。息してなかったんだよ、倒れている人は。

それもそうだろう。

俺達の車は百キロ以上出してたから。

夜中だと車もなくて、つい、親友もスピードをだしていたんだ。

親友が車の中でがくがく震えていた。

正直、俺の頭に【逃げる】って単語が思い浮かんだ。

けど、例え逃げてもこんだけ車の部品が落ちてれば捕まるだろう。

日本の警察はひき逃げを捕まえるのが世界で一番の検挙率だしね。

【死体を隠す】って事も考えたけど、道路は血の海。

隠しても絶対ひき逃げがあったってわかる。それに車の部品。

俺は車に戻った。親友に【警察に連絡しよう】って言う為に。

「どどどど、どうしよぅ…お、俺…」

アイツは泣いてた。俺が車に戻ってきた瞬間、凄い勢いで俺に問い詰めてきた。

その時のアイツは、本当に怖かった。

微かな希望にすがっている人間ってのは何事にも必死なんだよ。

アイツの顔は別人と化してた。

「どうだった!?生きてた?!!」

俺はアイツに気おされ、言葉に詰まった。ただ、首を横に振るしか出来なかった。

「あぁぁぁぁぁぁあ!!!!」

アイツはそう叫び、頭を抱えた。

俺はアイツを落ち着かせるため、優しく声をかけた。

「警察に連絡しよう。俺が電話してやる」

アイツは俺の話を聞いているのかどうかわからなかった。

ただ、静かに泣いてた。

俺が連絡した数分、警察が来て遺体を運んだり、現場検証したり、俺も事情聴取されたり大変だった。

え?その親友はどうなったって?

ちゃんと社会復帰してるよ。でも、車はもう運転してないみたいだよ。

そりゃあ腕がないからね。事故で切断したらしいよ。

その事件以来アイツとは連絡とってない。

アイツももう思い出したくないだろうし。

あの人轢いた瞬間の衝撃と音。

人がさ、ゴミみたいに軽く飛んじゃうんだよ。

一体、アイツはハンドルからどんな衝撃が伝わってきたのかな。

俺は残念ながら助手席だったからわからないけど大体想像付く。

でも、所詮は想像。いつだって本物にかないっこない。

だから、車運転してる時、人が道路を渡ると轢いてみたくなっちゃうんだよね。

あの時、アイツはこんな風に人轢いて、こう感じたんだ。って。

今は、ちゃんと理性が制しているよ。

けど時々、本当に轢いちゃおうかなって思う。

いつ、人を轢くんだろうね、俺は。

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