記憶っていうのは、いつも残酷なものだ。
不意に目に入るものに君の姿が浮かび、僕の心臓はとまりかける。
僕は君に声をかけようとする。
けれど、それは僕の幻で、君は跡形もなく消える。
その度、僕の心に何とも言えない虚しさと哀しさでいっぱいになる。
その感情をなくすために、僕は歩く。
どこまでも、どこまでも。
今よりも、もっと遠くへ。
君がいないところを求めて歩くのだけれど、横に君がいるような気がして、
いや、この景色に君が隠れていて、
今にも僕を驚かそうとしているんじゃないのかと思って、
僕は落ち着かない。
いや、この景色に君が隠れていて、
今にも僕を驚かそうとしているんじゃないのかと思って、
僕は落ち着かない。
忘れようと思う君を僕は探してしまうんだ。
君はいつだって傍にいたから。
僕の景色に君がいることが当たり前になっていて消えない。
君が僕の中にこびりついて、どれだけ涙を流そうと、消えてくれない。
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