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創作短編小説です。 基本的にダークです。 ですので、死とか血とかでます。 ホラーです。
May / 04 Sat 01:01 ×
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December / 29 Fri 20:49 ×

僕は朝が嫌いだった。

朝は一日の始まりで、まさに僕にとっては悪夢の始まりだった。

でもね、今はとっても心地いい。朝が来るのがこんなに楽しいなんて。

母さんが僕のために、ご飯を作っている。

綺麗だった母さんは、やつれ、目の下のクマは酷く、髪はぼさぼさで以前の面影がない。

あんなに美しかったのに、今はただの醜い女だ。

僕は椅子に座って母さんを眺めた。

前まで僕は椅子に座ることを許されず、ただ、母さんの足元に這いつくばっていた。

母さんが僕のために、ご飯を作ってくれたこともない。

ご飯の代わりに汚物を食べさせられたり、洗剤入りの水を飲まされたり、ごみを食べさせられただけだ。

洗剤入りの水を飲んだ時、僕は危うく死にかけた。

今となっては良い思い出だ。もう二度とそんな事できないだろうね。

ごみを食べたときは、お腹を壊したな。下痢が止まらなくて、母さんに殴られ、歯が折れた。

そうそう、母さんはよく僕を殴った。酷いときには、灰皿受けで殴るから僕は頭から血を流した。

こういう時に限って、母さんは僕を手当てするんだよ。殺さないように。

タバコの火もよく僕に押し付けた。今だ痕は消えないし、ライターの火で焼いた僕の腕の痕なんて酷いよ。

母さんは僕にいつも、ボロボロの服を着せてた。

おかげで、学校でいじめにあった。母さんはそれを知ってて、わざと着せてたんだ。

僕がどんなに恥ずかしかったか、母さん、わかる?

母さんはいつだって、綺麗な服を着て、きらきら光るアクセサリーを付けてた。

でもね、今はお風呂も入れてくれるし、綺麗な洋服を着せてくれる。

母さんが辛かったのはわかるよ。父さんが愛人と一緒に家を出ちゃったもんね。

だから、僕に沢山酷いことしたんでしょ?

母さん、僕は別に母さんのこと恨んでないよ?

苦しんでる母さんを見て、僕は十分楽しいんだから。

僕のこと、世間に知られたくないもんね。

母さんが、ご飯を作り終わり、持ってきた。

ご飯はカレーライスだ。僕にとってはご馳走だ。

前まで、母さんは作ってくれなかったんだから。

でもね、母さん。僕は食べないよ。

「ほら、食べなさい。美味しそうでしょ?」

か細い声で母さんは、僕に言った。そして、スプーンでカレーをすくい僕の口に運ぶ。

けれど、僕の口は堅く閉ざされたままだ。

「お願いだから、元に戻って、ねっ?」

母さんは痺れを切らしたのか、乱暴に僕の口をこじ開ける。

やめてよ、母さん。ほら、顎がとれちゃったじゃん。

母さんは、それを見て悲鳴をあげ、僕に謝る。

だから食べないって言ってるじゃん。あとでちゃんと付けてよね?

僕はもう死んでるんだから。

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