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創作短編小説です。 基本的にダークです。 ですので、死とか血とかでます。 ホラーです。
May / 04 Sat 14:32 ×
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December / 29 Fri 21:10 ×

この話は「わ か れ」とリンクしています。
そちらの方も読めば、楽しめると思います。

私を見つめる貴方の瞳。

私をだく貴方の腕。

私に触れる貴方の唇。

私に―――。

いつからだろう。

貴方の気持ちがわからなくなったのは。


貴方と付き合ったのは一年前。忘れるはずがない。

私が思いを打ち上げたのだから。

貴方は物静かで、優しい人。皆に好かれていた。

だから、私の思いは叶わないと思っていた。

貴方が笑顔で答えてくれたとき、私は嬉しさと驚きのあまり倒れると思っていた。

嘘じゃない、本当に。

確か、二人でデートの約束をした日。貴方と私が付き合った日。

私はとても楽しみにしていた。

けれど、その日、貴方は私に「ごめん」っと言った。

だから、私は笑って「そう、しかたがないね」って言った。

貴方が好きだから、貴方の重荷にはなりたくなかった。

他の人みたいに烈火の如く怒って、貴方を困らせたくなかった。

ただ、それだけなの。

貴方は私以外の女の人と過ごす時間が長くなった。

貴方と一緒にいる時間は減っていった。

私は貴方に何も聞かなかった。

貴方が私を裏切るはずがないと思っていたから。

貴方は優しい人だから。

私は貴方を愛し、信じていた。でも、辛かった。

耐えきれそうにないと、私は自分の手首を切った。

切って、流れる血と一緒に貴方を疑う自分を流した。

ドロドロした感情も何もかも―――。

だから、私は笑っていられた。貴方に心配させない為。

ただ、貴方の気持ちがわからない。

 

「ねぇ、僕達別れようよ」

その喫茶店はお洒落で明るい造りになっている。私のお気に入りのお店。

私は紅茶を飲んでいた動きを止めた。貴方の言葉が頭の中で回る。

なるべく平静を保つように心がけ、カップを置く。

「どうして……?」

かろうじて、それだけ言えた。声が震えていた。

「飽きた。あと、つまらない。それだけ」

貴方はそう言うと、席を立って行ってしまう。

「待って!」

けれど、私の言葉は口の中に残った。貴方をひき止める為に伸ばした手もかわされた。

どうして、こんな事になってしまったのだろう。

ただ、貴方を愛していただけなのに。

そのまま、別の人の所へ行くの?

ずっと耐えてきたのに。もう耐えられない。

私はバッグから、カッターを取り出した。

手首を切ってから、いつも肌身離さず持っていたカッター。

私は貴方の後を追った。

貴方が振り向いた。私はカッターを貴方の首に刺した。

誰かのものになるならば、いっそこの手で……。

私はどんな顔をしていたのだろう。

貴方が愛しそうな顔で私を見つめ、崩れ落ちていく。

あぁ、貴方は私を愛してくれていたのね。嬉しい。

私は自分の首にカッターを当てた。

周りの悲鳴が響く。

 

私もすぐ後追うわ。

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