忍者ブログ
創作短編小説です。 基本的にダークです。 ですので、死とか血とかでます。 ホラーです。
May / 04 Sat 03:11 ×
×

[PR]上記の広告は3ヶ月以上新規記事投稿のないブログに表示されています。新しい記事を書く事で広告が消えます。

December / 29 Fri 21:49 ×
蔑んで欲しい。

蔑んで欲しい。

褒め言葉や慰めの言葉はいらない。

そんなもの必要ない。

私を美化しないで欲しい。

私は綺麗でもなんでもない。

蔑んで欲しい。

蔑んで欲しい。

あなたの口から聞きたいのは、罵り言葉。

あなたの目から見たいのは、軽蔑した視線。

罵って欲しい。

罵って欲しい。

あなたが罵れば罵るほど、私は自分が汚い人間だと実感できる。

私は本当に汚いのだと実感できる。

醜く、冷たく、酷い人間だとわかる。



私は汚い。

私は醜い。



罵るだけ罵って、蔑むだけ蔑んで、軽蔑しきった目で私を見ればいい。

そうして、私はあなたを嘲笑う。



あなたも結局、私と同じ人間なのよ―――。
PR
December / 29 Fri 21:33 ×
外から見れば、私の家庭は恵まれているだろう。

年の割には、若くて綺麗な母。

経営者でお金を稼ぐ父。

有名な大学に入った娘。

家は他のよりも豪華で、高い車に乗っている。

欲しい物は買い与えてくれた。

何不自由はなかった。




毎晩、両親の喧嘩する声で目が覚めた。

暗闇の中、布団にこもり、一人で耳を塞いで寝た。




学校へ行き、友人と他愛も無い会話をした。

誰も本当は心を開いていない事を知った。




バイト先へ向かい仕事をした。

バイトの先輩がお金を盗んでいた。




家に帰った。

母が夕ご飯を作って待っていてくれた。

父も仕事から帰ってきて私を待っていた。




家族で会話をした。

話の内容は私の勉強のことばかりだった。

それ以外、話した記憶がない。




暗闇の中、私は一人眠った。

両親の怒鳴り声が聞こえた。




私は恵まれた家庭に生まれた。

何不自由はなかった。

どうして、こんなに寒いのだろう。

どうして私の心は、こんなに渇望しているのだろうか。

何も満たされない。どこも寒い。




目が覚め、私はコップに水を注いだ。





コップに注いだ水は、なぜか血の味がした。
December / 29 Fri 20:51 ×

僕は貴方を愛してる。

貴方のその【青白い肌】を。

血の気がある肌は嫌いだよ。生暖かくて気持ち悪い。

僕は貴方を愛してる。

貴方のその虚ろな【濁った瞳】を。

澄んだ瞳は嫌いだよ。何もかも見透かすような瞳なんて。

僕は貴方を愛してる。

【沈黙】を守る貴方の唇を。

お喋りな唇は嫌いだよ。うるさすぎてたまったものじゃない。

僕は貴方を愛してる。

僕に触れようとしない【貴方の手】を。

馴れ馴れしく僕に触る人は嫌いだよ。汚らしい手で触れないで。

僕は貴方の肌を慈しみ、つくづく思う。

貴方は【本当】に美しい。

貴方は常に無言だし、僕に触れようともしない。

僕が触れても反応せず、ただ宙を仰ぐ。

皮膚は常に冷たく、とても心地いい感触。

この暗い部屋で貴方と二人っきり。僕は【幸せ】なんだよ。

貴方に口付けた時、貴方の【腐臭】に気づいた。

もう、貴方はダメみたいだね。僕とは【さよなら】だ。

今夜は新しい【貴方】を探しに行こう。

ADMIN | WRITE
 
"神華" WROTE ALL ARTICLES.
忍者ブログ・[PR]
/ PRODUCED BY SHINOBI.JP @ SAMURAI FACTORY INC.