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創作短編小説です。 基本的にダークです。 ですので、死とか血とかでます。 ホラーです。
April / 20 Sun 15:27 ×
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December / 29 Fri 21:29 ×
彼女のことを聞いているんですか?

彼女はとても綺麗な子なんですよ。

真っ白な肌に真っ黒の髪。

恥かしいんですけど、一目惚れしちゃって。

彼女に初めて会ったのは、病院の中でした。

なんで、病院にいたのか覚えてないんですけど、彼女にその時会ったんです。

本当にびっくりしましたね。こんな綺麗な子いるんだ、って。

彼女は入院してました。

何の病気かわかりませんけど、たぶん心の病気だと思うんです。

俺は毎日彼女に会いに行きました。

彼女に会いたくて、会いたくて、彼女は俺が来ても嫌がる素振りをしないで迎えてくれました。

ただ、彼女は一度も笑いませんでした。

一度も微笑んでくれませんでした。

何故でしょう?俺にはわかりません。

彼女はいつも無表情で無口でした。


俺は彼女が無表情だろうと無口だろうと構いませんでした。

俺は彼女を愛してましたから。

俺は彼女といつも一緒にいました。

他愛も無い話を彼女に話しました。

彼女は頷いて俺の話を聞いてくれました。

けれど、彼女と一緒にいればいるほど不安になるんです。

彼女は本当に俺のことを愛してくれているんだろうか?って。

彼女に聞いても彼女は黙って答えてくれません。

俺はある日、見てしまったんです。

彼女が他の男に笑いかけているのを。

その男は医者だったのかもしれません。

けれど、俺にはどうでもいいことです。

俺にとって大切なことは彼女の笑顔です。

予想通り、それは綺麗でした。

ただ、俺は自分の足元が崩れていくのがよくわかったんです。

目の前が真っ暗になったと言うべきでしょうか?

彼女は俺を愛していなかった。

俺にはそう感じたんです。彼女は楽しそうに男と微笑んでました。

今は、もうそんな事気にしてませんよ。

人間って案外強いものなんですね。

そう言えば、どうして彼女が俺の足元に転がっているんですか?

彼女、よく見ると俺の顔に似ている。

何故?

それにここは彼女の病室……いや違う。

俺の病室じゃないか。

どうして、俺の頭は血で塗れているんだ?

そういえば彼女って一体誰だろう?

ここには鏡しかないのに……
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