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創作短編小説です。 基本的にダークです。 ですので、死とか血とかでます。 ホラーです。
April / 28 Mon 19:47 ×
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December / 29 Fri 21:42 ×
この作品では【僕私】になっています。


目を閉じれば君が蘇る。

君は蝶々で、私は花。

君は美しい花の中を忙しく飛び回る蝶。

花達は蝶が止まってくれるのをただ、待つだけ。

どんなに花が香りを放っても、蝶はヒラヒラと別の花に向かう。

それならば、いっそ私は枯れましょう。

ただ、ひっそりと蝶への思いを土に返して。

何もかもなかった事にして。

―――
なのに君はどうしてそんな顔をするの?

君にとって私は沢山ある花の一つ。

君は気まぐれな蝶で、花の気持ちなんて知らないはずで―――

花はもう枯れてしまった。

私は時々、君の事を思い出しては記憶の中の君を愛でる。

でも何故かな。

あの時の君の泣きそうな顔が一番鮮やかに蘇る。
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December / 29 Fri 21:40 ×
僕は君に嫉妬している。

君は誰のものにならないのに、どうして僕は君のものなのだろう。

僕は君と僕の違いを考えてみた。

君はいつも自己中心的で他人の事を考えない。

僕は他人の事を考えながら、その時行動する。

……
これじゃあ僕の方が全然まともな人間じゃないか。

不意に深刻そうな僕の顔を見て、君は不安そうに僕の顔を覗き込んだ。

「何でもないよ」

僕がそう言うと君はにこりと微笑み、何処かに行ってしまった。

空が眩しかった。

やっとわかったよ。僕と君の違い。

君は独立しているんだね。君は誰にも依存していない。

僕も君と同じ様になれるかな。

でも、僕はもう少し君に依存したい。

だから、もう少し【君のもの】でいよう。
December / 29 Fri 21:36 ×
一体何がいけなかったのか、何故こんな事になったのか、

と言うことを今更考えたってしょうがない。

全て終わってしまった事なのだ。

僕はぼんやりとした頭でさっきの事を思い返していた。

君が僕に別れを告げて、僕は黙っていた。

僕は君の事を愛していたんだ。

だけど、君は僕を愛していなかった。

君は僕に一言も発する隙を与えず、僕に罵声を浴びせた。

それはとても酷い言葉達だった。

どうして君があんなに必死になって、

僕に罵声を浴びせていたのか僕にはわからない。

もしかしたら君は必死に自分を守ろうとしていたのかもしれない。

けれど、その事実が僕にとって憎むべきものだったんだ。

君は言うだけ言うと、くるりと背を向けた。

そして、僕は落ちていた大きめな石を拾って君の頭を殴った。

結論から言うと、僕は幸せではない。

殺したはずの君の声が、僕の耳にいまだ残っているのだから。
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