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創作短編小説です。 基本的にダークです。 ですので、死とか血とかでます。 ホラーです。
May / 04 Sat 12:04 ×
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February / 20 Tue 16:24 ×

一週間がたった。

私はすっかり、雨宮君との約束を忘れ、今の生活を満喫してた。

私は放課後、皆には参加せず図書館に向かった。

読みたかった本が今日、入ったはずだ。

放課後は人もいないので、色々と便利だ。

私が本をじっくり見ていると、後ろに人の気配を感じた。

「高橋さん」

それは雨宮君だった。私は驚いて、後ずさった。

毎日暴行を受け、彼の顔は以前の面影がない。

そのため、彼は顔に包帯を巻いている。

前に男子達が無理矢理、彼の包帯をとったことがあるのだ。

その時の彼の顔は、以前の面影はまったくなく、醜く変形していた。

包帯から覗く目が私を責めているようだった。

しかし、私はきっと彼を睨みつけた。

普段彼を殴っているせいか、私は彼より上の存在だと思った。

「一体、何の用よ!?」

「手…約束だよ。頂戴」

雨宮君は、無感情にそう言った。

私は怒りを露にして、声を荒げた。

「何、馬鹿なこと言ってんの!?誰がアンタなんかに手を渡すもんですか!!!」

「約束を破る気?」

雨宮君は、静かにそう言った。

その態度に、私はだんだんと腹が立ってきた。

「私の目の前から消えてよ!!!!この変態!!!!!!!!」

私は、手に持っていた本を彼に投げつけた。

しかし、彼はひょいと避けると、私の右手首を掴んだ。

「君には本当、失望したよ…約束を果たしてよね」

「きゃああああああ!!!!何すんのよ、この変態!!!!!」

私は暴れまくった。

そして、左手で無意識に雨宮君の顔の包帯を掴み、引っ張った。

包帯から露になったのは、暴行を受け、醜く変形した顔ではなかった。

初めて会った時と同じ、端正な美しい顔だった。

私がその事に驚いていると、彼は笑った。

「手は貰うからね…」

不意に、私の視界は黒くなり、そして私の意識はなくなった。

 

私が目を覚ました時、そこは見慣れたいつもの教室だった。

雨宮君の事は、夢だったのだろうか。

私は身体を起こした。そして、すぐ恐怖に駆られた。

クラスメイトが皆、私を囲んでいるのだ。

ニヤニヤと笑いながら、ホウキを持っている者もいた。

この光景は、いつも雨宮君が皆に暴行される時と一緒である。

「い、いや!!!誰か助けて!!!」

私は叫び、助けを求めた。しかし、誰も助けてくれない。

視界の隅に雨宮君の姿を見つけた。

「雨宮君、助けて!!」

私は彼に手を伸ばし、助けを求めた。

雨宮君は初めて会った時と同じように、端正な顔に笑みを浮かばせてた。

「高橋さん、君からもらった手は大切にするからね」

雨宮君の手には、手首から切断された白い手が二つあった。

彼はそれを愛しそうに頬擦りすると、教室から出て行った。

私は自分の手を見た。

制服の袖から先、何もなかった。

両手ともなくなっていた。

皆が後ろに立って、笑っていた。

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